皆さん、こんにちは!
今回から、ヨコハマ海洋市民大学の講座振り返りを掲載していきます。
講座に参加された方は、ご自身の気づき等の確認に、参加されなかった方は、「楽しそう!」と会場の雰囲気を感じていただければ嬉しいです。次回会場でお会いできることを楽しみにしています!
それでは、2023年度講座の第1回目
「知ることから始まる 海と人との共存社会」講師:水井涼太さんの振り返りです。
講座に入る前に、ヨコハマ海洋市民大学実行委員会金木伸浩委員長から挨拶と開講にあたっての説明をさせていただきました。
19時45分から、水井先生の講座がスタートしました。
主な内容は下記のようになります。
水井先生の自己紹介
・JAMSTECに事務方で就職したが、直接海を伝える仕事がしたいという思いから大学で博士号を取り、大学発ベンチャーとして起業を選択。
⇒海に関心をもってもらい、いつまでもこの海と暮らすことを目指す
⇒ディスカバーブルーを設立
・うみで想像すること
⇒海が見えると。。。「海だ!」とつい口にしてしまう
⇒特別な存在=富士山と同じ
⇒なのに、意識していない
・日本は島国
⇒島国なのに島国に住んでいる意識がない
⇒公共物の海をどうしたいのか、社会的議論がすすまない。。。興味がないから
・教育の課題
⇒日本では、海のことを学習していない:社会と理科でほんの少しでてくる
⇒総合学習の時間を使ってようやく学習できる(意識ある先生がいれば)
・海の学習
⇒海を知っている「つもり」になってしまう
⇒例えば「釣り」が好きな人は、「釣り」のことだけは良く知っている
⇒ほかの海関係の分野例えば、「ヨット」等、異なると「共通言語」がない
⇒@海外(欧米):興味があれば学術論文を読むなど自ら学べる
⇒論文は、「英語」が主流
⇒@日本の課題
⇒社会的議論になりにくい:議員もとりあげない、後回しい
⇒社会的議論になりにくい:議員もとりあげない、後回し
・地域資源
⇒評価できてない:例えば、みなとみらいは生命に満ち溢れている
⇒横浜の海岸線開発:人々の暮らしが海から遠のいている
⇒良い悪ではなく、何を得て、何を失ったか、何をバーターしていくか。
⇒答えは一つではない:合意形成が必要
・水井先生の「海を巡る旅」
⇒@函館:スルメイカを網ですくった(漁船から逃げた?):イカは美しい!
⇒@真鶴:ある時定置網の中「崩れたイワシ」ばかり:ジンベイザメが網の中で暴れた。
:ウミタル(ホヤに近い仲間):大量発生
⇒@八重山:サンゴが危機的状況
:ハギ系の海藻を食べる魚がいる@水深3mぐらい
:昔から、オニヒトデや高水温被害あった
:最近は頻度が多く、復活の力が弱まっている
:流れがあるところや、深い所からサンゴが復活してるのも見られる
:環境を戻していけば、復活していく。
⇒@横浜:コンクリート護岸でも、ベントスが来て、生態系が復活してくる
:また復活のするのが、「海の凄いところ」
※我々が出来ること:『無くなった生態系が戻ってくる環境を作っておいてあげること』
・まだ不確定な話ではあるが、下記のような兆候が見られるという報告も
⇒磯焼けがだいぶ緩和して戻り始めているという発表
⇒軽石の影響:酸性化を中和している
⇒自然のサイクルは、わからないことが多い
※関係性が失われていても、戻ることを前提に行動する必要がある
・相模湾
⇒地形と海の関係
⇒砂浜は貝殻からできる:横浜は牡蠣礁も
・海のルールの厳罰化
⇒密漁の増加
⇒@神奈川:水中眼鏡、モリをもって海に入った時点で県条例違反
⇒「あわび」「なまこ」:国で漁業者以外の漁は禁止
⇒中華料理の高級食材として世界的な需要
⇒組織的犯罪がおこなわれている
⇒海岸線:自由に使用できる
⇒海のルールはやっかい:行政の管轄区域等
⇒グレーゾーンの中で筋道をつける必要性
⇒水産対象生物以外をだれが守るか決まっていない
⇒@真鶴:まちの条例を目指して準備
・海のことを学ぶ場所
⇒水族館?:基本的に「アミューズメントパーク」=民間経営がほとんど
⇒社会教育的な機能が少ない
⇒海洋博物館がとても少ない:千葉県立中央博物館分館 海の博物館
⇒水産高校の本は良い。
⇒海のことについて学習する機会が少ない:社会教育的に取り組んでいない
・水上モビリティの活用
⇒@横浜:水上タクシー:5人乗車して700円
⇒@横浜:便利に活用できる:もっと広がってよい
⇒@欧米:日常の足として広く利用されている
・横浜の海は意外に快適
⇒海水の濁っているのは、基本プランクトン、基本的に生活排水の影響は小さい
⇒プランクトン:@横浜:量は多い
@真鶴:多様性がある
※ここで、水井先生が採取してきたプランクトンを実際に見たり投影して会場の皆さんと観察をしてみました!
⇒様々な生物がいる
⇒目の前の横浜の海に、実は「自然があった!」
・森は海の恋人
⇒山が荒れている。。。。
⇒林業が廃り、廃村:がけ崩れ
⇒泥が流れる:激しい雨で海に泥が流れる
⇒サンゴなどが死んでしまう。。。
⇒海を守るには、沿岸だけではなく、陸地全体を守る必要がある
⇒ランドスケープとシースケープ
※海の環境保全をするためには、陸の保全もする必要がある
・プラスチック
⇒包装している袋など、必要ないものが多い
⇒山奥:飴の袋:缶に入れる等の工夫:昔の方式
・海の酸性化
⇒蟹や貝の幼生:酸性化でうまく成長できない
・何を目指ざして、何をすべきか
⇒現在の海の課題はかなり危機的
⇒しかし、「環境保全をあきらめない!」:もう間に合わない、ちょっと厳しいを理由に止めない
・海には復元力がある
⇒酸性化、温暖化より、「海の回復力」が上回る事がある
⇒海は複雑系
※複雑系の事例:津軽海峡での長期観測から想定と違う事実
・海を取り巻く社会も複雑系
⇒相反することが多くある
⇒地域資源の価値を理解
⇒学校教育を含めた社会教育、海洋リテラシーの向上が必要
・社会全体で取り組む海洋問題
⇒海についてみんなで議論する社会を構築する
⇒行政、研究界、産業界単独での取り組みは不可能
⇒フラットな議論ができる場が必要:ヨコハマ海洋市民大学の役割
〇皆さんのへのお願い
・日々の生活の中で出来ることから始めよう
⇒自分で考え、選択して、行動する
⇒誰かの指示を待つのではなく自分で考える:何をすべきか、何ができるか
・洗剤の量を減らす
⇒答えは無いけど、まずはアクションを取る、間違っていたらなおす
・Q&A
Q:山から海への影響、特に農薬のインパクトについて:農業に関わっている方から
A:少なからずある、と考えている。特に除草剤は気にしている。
※特に水田で利用されていた肥料で、ゆっくり効果が持続するよう、プラスチック由来のコーティング
をしているものがあった。これが、全国でマイクロプラスチックとして発見された。現在は、改善され別の肥料が導入されているはず。
Q:プランクトンは最後どうしますか?
A:基本、真鶴の海に流すが、死んだら感謝しつつトイレにながす
Q:地球は、本当に温暖化しているのか。46億年の中では、高温、二酸化炭素が多い時期もあったはずだ。
A:二酸化炭素や温暖化の真偽より、人為的な理由で短期間にCO2がふえたことに問題があるのではないかと考える。
※マイクロプラスチックが気になる
リアルタイムで起きているのはわかりづらいが、この後どうなるからわからない。自分たちのタイムスケジュールではわからないで今、出来る事に向き合うほうが大切
Q:海洋プラスチックは何がよくないのか
A:化学物質が、環境ホルモンの様に生殖能力に影響を及ぼすと考えられている。
Q:青少年向けの子供たちの環境系教育に携わっているが、子供たちにその意味を伝えていくのは何を一番に伝えるのが一番かアドバイスを(ごみを拾っても拾いきれない)
A:大人の責任だから、子供に拾わせたくない。ゴミを拾っていると何の為に拾うかわからない、でも生き物が好きからはじまると、楽しかった、おもしろかったという気持ちが残り、明日以降も継続するものになる。
最後に、今年度からご支援をいただく、日本財団の中嶋様からご挨拶をいただきました。
・講師の大人を引き込む話に感動
・海と日本プロジェクトは8年目を迎えている
・母体となっている日本船舶振興会は舶用工業を応援していたが、船舶業界は大きく環境が変化してき
た。唯一変わっていない事は、日本が海に囲まれていることだ
・プロジェクトを通して海、そして日本を元気にして行きたい
上記のような、心強いお話をいただきました。大変ありがとうございました。
これから、伴走をよろしくお願いいたします。
最後に皆さんで記念撮影をして散会しました。終了後も参加者同士、それぞれ話に花が咲いたようです
夜も遅いので、22時で本当の散会をしました。
会場そしてネットで受講していただいた皆さん、そして水井先生、ありがとうございました!
次回は7月6日(木)となります。
来場される方は、場所が帆船日本丸・横浜みなと博物館 訓練センター第3会議室に変わりますので注意してくださいね!
また皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。
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